2 Alto and 1 Tenor Padless

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2001年は一念奮起して「Selmerの各モデルのaltoを集めよう!」と決心しました。Selmerにはこだわりがないのですが、「saxを語るうえでSelmerのsaxはもはや避けて通れない存在である」「Selmerのvintage saxは他に比べて高価だが、高価なものを先に集めてしまえば後の収集は楽である」という考えから私のSelmer収集が始まりました。

そんなわけでSelmerの収集を始めた訳ですが、「ちょっと変わったもの」が大好きな私としては、正当なSelmerの系統とは言えないpadlessにはどうしても捨て切れないこだわりと魅力を感じていました。

Padlessの紹介をさわりを少し・・・

PadlessはBuesherで作ったSelmer USAブランドのもので、1938年に半年あまり作られたらしいです(もう少し長い年月売られたと言う話しもあるが)が、名前のとおりパッドはありません。その代わり、トーンホールが通常のサックスよりもすこぶる肉厚でトーンホールのてっぺんにパッキン(oーリング)のようなリングがついています。それを真っ平らなカップ(通常padがついているがこの楽器にはそれが無い)で塞ぐような形でトーンホールを塞いで音をコントロールします。この楽器はご丁寧にネックのpadも無いのです。

一つにはパッドが無いというコンセプト自体がとても面白い代物です。音的には案外普通なんですが、既成概念を打破すべく試みられた野心的な取り組みがとても興味深いです。ですが、実はsemi-padlessモデルのサックスは現行でもないわけではないのです(Coderaというメーカー)。padless製造時は第二次大戦でものがなかったというわけでもなさそうなのですが、なぜわざわざpadのないsaxを作ったのに、その後のサックスのロイアルロードはpadlessではなかったのか、その辺をじっくり考えて見る必要が有ると思います。

balanced actionをはじめとするこの時期のサックス同様padlessは彫りも凄いし、もともとSuperの流れのWire Wishborn key gaurd(Buecsher流との説もある)も大変きらびやかな感があり、見た目の美しさも抜群です。

以前よりそんなpadlessのaltoを一本持っていました。が、自分の楽器のリングがボロボロで演奏不可能な状態でしたので、padlessの演奏可能なものをどうしても入手したいという願望が密かにありました。同時に色んなリペア業者に修理依頼、若しくはリング素材の提供を依頼いたしましたが、ことごとく無理との返答を戴いていました。

internetでも完動品もしくはpadが有るか探していたのですが、Kansasのwichitaband(アメリカの修理販売業者としては大手)でaltoの完動品が売りに出ていました。それを知ってはいたのですが、取り敢えずはまっとうなSelmerの系統を集めようという決心も有りましたので、手を出すことを逡巡しておりました。ら、なんとebayオークションに出品されてしまったんです。オークションのおかげで当初の値段よりも100ドルくらい高くなってしまいましたが逆に何が何でもって感じがつのって落札してしまいました。

余談ですが、wichitabandの梱包は実に見事でした。サックスとケースが別の箱で届いたのにはビックリしました。ケースからだしてサックスだけを送るのはちょっと恐いような感じも受けるかもしれませんが、それに耐えうるしっかりとした梱包がされておりました。

そんな経緯でaltoを入手したのですが、その数ヶ月後、福岡在住のP氏よりお誘いのメールが・・・「いろいろあるけどなんか買わん?」確かによだれの出そうなものがいろいろ有りましたが、そのなかでもpadlessのtenorがどうしても気に入ってしまい譲ってもらいました。

このうち以前より所有していたalto一本は、修理の経験を積んでいただくという意味もあって修理屋さんに引き取っていただくことになりました(修理は終わったということですが・・・)。

そんな訳で、60年以上前にわずか数千のみ製造され、ゴージャスかつエキセントリックな楽器のうちの3本が、ここに集結しました。記念にこの3本のpadlessを並べて記念撮影をいたしました。

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