Selmer Balanced Action, Alto. Jimmy Dorsey

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このモデルの最大の特徴はボディなど主な部分はBalanced Actionそのものなのですが、Cigar CutterなどのSuperシリーズとおなじベル左側のLow Keyを持つということです。またSuperと同じようにBb,Bには三角形のwire wishbone構造のLow key gaurdのリムが付いています。但しJimmy Dorseyにはwishbone構造のリムに加えてmetal sheetのキーガードがついています。つまり、ボディはBalanced ActionでベルがSuperというハイブリッドモデルなのですが、low key gaurdは他には類を見ないSuperとMKVIが合体したつくりになってます。G#はsuperタイプの小さい丸型です。
Selmerのサックスとしては一番レアなモデルで数年前までは、シリアル26,000から27,500の間で、Balanced Actionと並行して製造されたというのが通説でした。しかし、この楽器を含め3本ほど28000番代のJimmey Dorseyモデルのアルトが確認されており、その特徴を含め、この楽器は間違いなくJImmy Dorseyモデルは28,000番台までは製造されています。その製造数は200本くらいと言われております。

Radio ImprovedからBalanced Actionへのモデルチェンジでの最大の特徴はベルのトーンホールが左側から右側に移ったことですが、それに伴うアクションの違いを嫌がる人も多く(Jimmy Dorseyもその一人だったと言われている)、そういう人たちのニーズを満たすためにこのモデルが作られたという説があります。
また、SelmerはBalanced Actionの製造を始めたもののSuperのベル部分の在庫を抱えていたのでそれを処分するためにこのモデルを作ったという説もあります。

中にはJimmy Dorseyの名前を彫った楽器もあるといわれています。彫刻は同時代のBalanced Actionにみられる凝った彫りが多いようです。
それにしても、Radio ImprovedからBalanced Actionについてはシリアルが混乱したものが多く、Radio ImprovedのシリアルレンジのBalanced Actionやシリアル番号24,000番台のRadio Improvedや27,000番台のSuperなどの変わりものもあります。

この楽器は残念ながらリラッカーされています。しかもそのリラッカーもかなりくたびれています。ですが、パワフルかつ、クリアーかつブライトに良く鳴る楽器です。このモデルの存在価値はキーのアクション云々よりもこの明るい鳴りなのかもしれません。Jimmy Dorseyの時代のビッグバンドの音の基本的傾向を考えると、そのような気がしてなりません。

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